部屋づくりを化粧に例えてみましょう。
化粧のやり方は色々ありますが、基本的には「元々ある自分の顔に似合うように」「なりたい顔に近づくように」やっていきます。
部屋づくりの場合「なりたい顔に近づくように」というのが「叶えたいインテリアスタイル（北欧系とか）」になります。
ここについて取り組む人は多くいますが、「元々ある自分の顔に似合うように」というポイントを抑えたコーディネートをしている人が少ないために
部屋づくりに失敗してしまうのです。

では、「元々ある自分の顔に似合うように」というのはインテリアでいうとどこにあたるのでしょうか？

元々ある自分の顔とはすっぴんの自分のことです。
すっぴんの自分というのは、インテリアでいえば家具や小物がなにも置いていない状態のことです。
単なる箱、空間だけという状態です。

そして、すっぴんが美しい人は似あう化粧の幅が広い、そして薄化粧でもサマになる。
（ちなみに、筆者は似あう化粧の幅が狭く薄化粧がサマにならないタイプです。）

単なる空間の状態で、すでにおしゃれ、センスがよいと感じる部屋は、どんな家具を置いてもおしゃれになりやすいのが現実です。

そうなんです。
つまり、化粧のテクニックを磨く前に顔を美しくしてしまった方が色々とイージーであるという現実と同じように、家具や小物で色々と工夫するまえに空間自体をおしゃれにしておくというのがインテリアで失敗しない大前提のポイントです。

化粧のテクニックを磨く前に顔を美しくしてしまうというのは、わかりやすく言えば美容整形手術です。
美容整形については、最近でこそハードルは低くなってきたものの、やはり決断に至るまでは色々な葛藤があります。

それに引き換え、インテリアは美容整形のような葛藤は必要ありません。
もちろん費用面での負担はありますが、実際に家具ではなく、床や壁などの空間をおしゃれにするのにどの程度の費用が発生するのかを知っている人は多くないでしょう。
それなりの費用は発生しますが、ソファ１台分（約10万円）の費用で壁紙を張り替えることもできるのです。
美しくない空間に、50万円のソファを置くくらいだったら、空間を美しくしてからホームセンターのソファを配置した方が確実におしゃれに仕上がります。

顔もインテリアも全体のバランスで決まるのです。

顔が美しくても、体質に難があるとその美しさは長持ちしません。

それと同じで、建築構造がしっかりとしていること、空調や換気などの設備に正しく投資されていることがインテリア以上に大切な要素となります。
店舗やオフィステナントのように、すでに空間が完成している場合や、中古戸建を購入する場合は、構造や設備がしっかりとしているかを確認することが大切です。
空調システムがどうなっているか、断熱性能はどの程度あるのか、セキュリティ対策はどの程度されているのか、築年数はどの程度なのかといったことはしっかりと調べましょう。

先ほども述べたように、まずは構造・設備です。
これは、部屋を借りる段階で非常に重要になります。

耐震性能でいえば、1981年以降に建築された建物を選びましょう。
1981年に新耐震基準という基準が設定され、震度6強～7程度の揺れでも倒壊しないような構造基準のもと設計が行われています。
ちなみに1980年以前の旧耐震基準では、震度5強程度の揺れでも建物が倒壊しないような構造基準とされています。

断熱性能でいえば、木造よりもSRC造です。さらに窓サッシがアルミ製ではなく樹脂製のものであればすばらしいです。
（樹脂製のサッシは日本では多くありません）

空調に関して言えば、ファミリータイプの一戸建ての場合は全館空調を導入するなどにより、住環境は向上します。

ちなみに、構造、設備に関しては専門家ではないので、参考程度にとどめておいてください。

空間デザインとは床・壁・天井・建具・窓などのトータルデザインのこととします。

最終的に作りたいインテリアイメージに合わせるのが一番ですが、全体の色のトーンを合わせる、建具は背の高いものにする、クローザーは見えないような納まりにする、ドアノブ、レバーハンドルなどの金物にもこだわる、どこかワンポイントでもいいので、ホンモノの建材を使用する、などで空間のおしゃれ度はググっと変化します。
ホンモノの建材とは、石目調の壁紙ではなく、ホンモノの石の建材をつかう、木目調のシートを使うのではなく、本物の「木」を使うということです。

空間は美しく仕上がったら最後は、家具や小物、照明器具等でコーディネートをしていきます。
叶えたいインテリアイメージによってコーディネートの方法はさまざまです。
ただ、部屋づくりが失敗しにくい方法としては、全体で使う色を3色にする。
３色以外の色を使う場合は基本３色のグラデーションになるようにすることを心掛けるとおしゃれなコーディネートになりやすいです。

また、観葉植物は、１点おくだけでもオシャレ感がグンとアップするので、取り入れてみてください。

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